Vo.2 不育症
【不育症のこと】
不育症を専門とする施設は少なく、またこの分野の治療方針は各院でかなり異なるため、不育症が疑われる場合さらに悩みが深くなるかと思います。
私は第一子治療で、3回連続で良好な新鮮胚を移植し、すべて着床はしたもののその後hcgが伸びず、胎嚢確認に至らず、というところで初めて「不育症」を知りました。
かかっていたAクリニックでは対応できないとのことだったため、都内でも数少ない不育科のある病院を紹介され、受診したのは不妊治療を開始して8ヶ月が経った頃でした。
一通りの検査をしたところ、免疫に関連する項目「Th1」「Th2」が引っかかりました。
一般的にはTh1/Th2の比率が10.3以上の場合投薬など治療を行いますが、私の場合は
「Th1はさほど高くない・Th2は高い → Th1/Th2比率は低い」
という非常に珍しいケースでした。
「Th2」が高いと、受精〜成長の過程で精子を異物と捉えて攻撃してしまうため、着床を妨害したり、着床してもその後の成長を阻害してしまいます。
このため、妊娠継続が困難になります。
そもそも「Th2が高い」=「自己免疫が高い」というもので、患者自身には特に自覚症状はないことも多いそうで、私も、自分が特に自己免疫が高いとは思いませんでした。
どちらかというと風邪などは引きやすい方ですし、体が丈夫な方とは言えなかったためです。
これは、他の不育症に関わる因子もほとんどそうですが、原因が特にあるわけでもなく、単なる体質としか言えないもののようでした。
上述の通り一般的にはTh1/Th2の比率が10.3以上の場合に治療を行うため、不妊治療をしていたAクリニックにも結果を報告しましたが、一般的なセオリー通り「特に対策不要」と判断され、それ以上の話にはなりませんでした。
ですが、不育症の検査をした病院ではこういったケースも扱っていたため、「プログラフ(タクロリムス)」という免疫抑制剤を服用することになりました。
これが、私の第一子の治療において転換点となります。
プログラフを1mg(2mg、3mgなど容量は複数あります)毎日服用し、「Th1」「Th2」を定期的に検査しました。
この血液検査は高額で、3−4万かかるものでしたが、2ヶ月に1回くらい受けて、数値をチェックしてもらいました。
服用を続けていくうち、少しずつ「Th2」の数値が下がっていきました。
これは私の妊娠継続にとって本当に重要なことでした。
そのおかげで、私は第一子出産へたどり着くことができたからです。
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